品質管理に利用されている温度履歴

温度履歴は物理用語の1つであり、ここでは、「記憶」としても捉えられています。温度履歴は遅れて生じることに特徴があり、つまり、履歴を分析することで対象物質に起こった内容を詳しく把握することが可能になります。温度履歴は、専用のデータロガー等で測定をすることができ、活用されている1つの例として医薬品の輸送を上げることができます。医薬品の輸送においては、WHO(世界保健機関)がガイドラインとして制定しているGDP基準がグローバルスタンダードとして認識されており、日本においても大手輸送会社を中心として導入が行われています。

ここでは、外気温度にかかわらず2℃~8℃の温度帯を48時間以上保持するなど厳しい基準が設けられ、輸送での高い品質管理を行うためにも温度履歴は必要不可欠なものになります。測定において利用されるロガーの温度センサーは、一般的には素子として熱電対や測温抵抗体が使用されています。まず、熱電対は異なる2種類の金属を接合し、ゼーベック効果により生じる熱起電力を利用することで測定を行います。ベーゼック効果とは、2種類の金属に温度差が生じることで電圧が発生する現象を指し、電圧を測定することで温度も測定できるようになっています。

正確な測定が可能であることからK形熱電対が利用されることが多く、1.5℃~2.5℃が許容差になります。測熱抵抗体は、抵抗値を想定することで温度を把握することができ、ここでは金属の抵抗値が温度によって変化をする性質が利用されています。特徴として許容差が0.1℃~0.6℃と非常に精密なことがあり、アナログ式やデジタル式、有線や無線によるデータ通信など多くの製品が提供されています。

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